心理学を学ぶメリットと臨床心理士について

心理学は、自己理解や他者理解を深め、豊かな人間関係を築くために非常に役立つ学問です。
ですので、最近は大学で心理学を学ぼうと考えている人も多いようですが、学ぶ価値は十分にある学問と言えるでしょう。

しかし、問題はその先。

学んで、卒業後にどのような職業に就くべきなのかが明確ではない人も多いようですね。

広範な学問領域をカバーする必要があり、学びながら将来の進路を明確にするのが難しいと感じることもあるでしょう。

まずは、心理学を学ぶメリットから見ていきましょう。

心理学を学ぶメリット

まず、心理学の大きな魅力は、自分自身をより深く理解できる点です。

心理学を学ぶことで、自分の感情や行動の背景にある心理的なメカニズムを知り、自己理解を深めることができます。

この知識は、自己肯定感を高め、自分らしく生きるための大きな助けとなるでしょう。

また、他者の心理を理解することで、人間関係をよりスムーズにする効果も期待できます。心理学は、他者の感情や行動を深く理解し、より効果的なコミュニケーションを取る方法を教えてくれます。
これにより、人間関係の悩みを解消し、良好な関係を築くことができるのです。

そして心理学の知識は、ビジネスや教育、医療など、さまざまな分野で役立ちます。

たとえば、マーケティングや人事、カウンセリングの分野で、心理学の理論を応用することができます。実際、心理学部を卒業後、大手企業の商品開発や企画部、広報で魅力的な商品の売り出し方やキャッチコピーを考え、大きな成果をあげている人もいます。

さらに、心理学を学ぶことで問題解決能力も向上します。心理学には、複雑な問題を論理的に考え、解決策を見つけるためのツールが豊富に用意されています。

心理学を学ぶ際の課題

一方で、心理学を学ぶには広範な知識を習得しなければならないという難しさもあります。

心理学は幅広い分野にわたる学問で、全てを深く理解することは難しいため、興味のある分野に特化することが求められます。

また、心理学を学んだ後の就職の道筋が明確でないことも、迷いを生じさせる要因の一つです。心理学者やカウンセラーとしての道だけでなく、一般企業で心理学の知識を活かすこともできますが、どの進路が自分に合っているのかを見極めるのが難しいと感じる人もいるでしょう。

さらに、心理学の学問的側面には、統計学や実験心理学といった理論的な内容が多く含まれており、必ずしも実践的な学びだけではない点にも注意が必要です。特に、文系で数学が苦手な人は、統計学のところで嫌になってしまうという人も少なくないようです。ですが、心理学は結構統計学と強い関係があるので、統計や数字を見ること、分析が好きだという人が心理学に向いているともいえるでしょう。

心理学を学ぶ前に考えるべきこと

心理学を学ぶことは、自己探求や他者理解を深める意味で非常に有意義な経験です。しかし、学びの過程で直面する多くの課題についても考慮しておく必要があります。

例えば、自分が心理学を学びたい理由や、どの分野に特に興味があるのか、そして将来どのようなキャリアを築きたいのかを事前に考えておくことが大切です。

具体的には、心理学のカリキュラムや資格について調べ、卒業後の進路も確認しておくと、学び始めた後の不安を減らすことができるでしょう。

最近多いのは、スクールカウンセラーや臨床心理士ですね。
卒業後に資格を取る人も多いですし、やりがいのある仕事の一つともいえましょう。

ただ、臨床心理士には向き不向きがあるという話をよく聞きます。

臨床心理士の向き不向き

ですので、臨床心理士に向いているかどうかを考える際には、自分の共感力や傾聴力、忍耐力、そしてストレス耐性などがどれほど高いかも一度自らを振り返って考えてみる必要があるかもしれませんね。

臨床心理士の仕事は、人々の心に寄り添い、時間をかけて問題解決を支援するという非常に責任のある仕事です。そのため、高い共感力や倫理観が求められますが、共感力が強すぎると、クライアントの感情を自分に取り込みすぎて心身が疲弊してしまうこともあります。

ある臨床心理士が仰ってましたが、臨床心理士に向いていな人は意外と大勢いて、そういう人は、2〜3年で辞めてしまうとのこと。逆に向いている人は、2〜3年続けているうちに、ますますやり甲斐を見出して一生の仕事として続けるとのことです。

その方が仰っていたことは、共感力のバランスを保ちながら、クライアントと適切な距離を保つことが必要とのことです。

将来、臨床心理士としてのキャリアを考える際には、仕事の具体的な内容のリサーチ、やりがいや報酬、将来のキャリアパス、そして精神的な負担に対する耐性についても十分に考える必要がありそうですね。

まとめ

心理学を学ぶことは、自己成長や他者理解を深めるための素晴らしい学問ですが、その学びには多くのチャレンジが伴います。

自分の将来像や興味関心に基づいて、じっくりと検討し、必要な情報を集めることで、心理学を学ぶ意義を最大限に引き出すことができるでしょう。

臨床心理士としての道に興味がある場合は、実際にその仕事に携わっている人々の意見を聞いたり、ボランティアに参加したりすることで、自分に向いているかどうかを判断してみるのも将来を考える上では良いと思います。