予備校通わず、医学部に特待生合格

特待生合格 学費免除合格

知り合いの医学部生は、予備校や塾に行くことなく、つい先日、ストレートで(現役で)医学部に合格しました。

誰なのか特定されてしまう可能性があるので、大学名を記すことは避けますが、まず某地方の国立大学の医学部は主席で合格しています。

その他、私立大学医学部のなかでも上位ベスト5には入る大学のうち3つの大学に特待生合格をしています。

しかし、彼女は主席合格した国立大学も、特待生合格をした3つの私立大学医学部も蹴っています。

結果、自分が将来取り組みたい研究をしている某私立大学の医学部に入学しました。残念ながら、その私立大学医学部には学費免除を受けるだけの成績をおさめたわけではないのですが、合格は合格です。

予備校や塾にはいかずに合格

もちろん私立大学の医学部なので学費はかかります。

しかし、彼女はいっさい塾や予備校などの類の教育機関には通っていませんでしたし、スタディサプリのような通信教材の講義の会員にもなっていませんでしたから、高校時代の受験にかかったお金はほぼゼロ。

高校に通う学費と、受験に必要な参考書や問題集などの教材費、そして受験料のみで、あとはすべて独学でしたので、そのぶんで浮いたお金が大学の学費にまわせると彼女の両親は大喜びしていたようです。

このように、なにも特別に医学部予備校にべらぼうに高い学費を支払って通わなくても、医学部に全部合格、しかも中には主席や特待生合格をするという受験生だっているわけです。

オーソドックスを極める

地頭が良かったのだろう。
要領が良かったからだ。
家が医療関係だったからだろう。
裏口やコネを使ったのではないか。

いいえ、違います。

もちろん彼女の場合、地頭はとても良いとは思います。
驚くほどコミュニケーションスキルが高く、短時間で要領よくものごとの本質を見抜く力を持っているとは思います。

要領もたしかに良かったのでしょうが、彼女から感じられるのは、むしろ継続性です。今日やらなければならにことを粛々とかつ淡々とこなしていたという印象です。
しかも、睡眠時間はたっぷりとっていたそうなので、一日の中で自分がやるべきことを無理せず、バランス良くこなしていたのでしょう。

医学部合格のために必要な問題集や参考書類は、インターネットでリサーチしたことはあるそうですが、一度取り組むべき教材を決めたら、あとは、いたずらに情報集めに勤しむこともなく、とにかく、コツコツと学習を進めていっただけとのこと。

そして、もちろん彼女の家は、普通のサラリーマン家庭で、近親者にも医療従事者はいません。
もちろん、特別お金持ちの家でもなく、大学の偉い人など大物などに知り合いがいるわけでもないので、コネなどを使える術もありません。

このように、本当に普通の高校生で、一般的な家庭で育った生徒が、学校の勉強と自習だけでも、十分現役で合格できるのです。しかも、特待生や、学費免除というオマケ付きで。

これは、何を意味するのでしょう?

そう、必ずしも医学部専門予備校は必要ではない、ということです。

オーソドックスな学習スタイルを極めれば、医学部特待生合格だって出来てしまうというわけです。

いきなり医専予備校にいっても意味がない

もちろん、勉強の仕方が分からない生徒、中学校の時に勉強をサボっていたため、高校の勉強が遅れてしまっていたり、理解が不十分なまま学校の進度についていくだけで息切れしてしまう受験生も少なくないことでしょう。

そういう生徒には、丁寧に弱点を補強してくれる塾や予備校などの教育機関に通う必要があるかもしれません。

そう、塾や予備校で十分なのです。学校の勉強すらついていけないほどの学力であれば。
しかし、そういう受験生ほど、医学部専門予備校に行きたがる。
親御さんも、医学部専門予備校にはいって、みっちりと勉強すれば、学力が上がると思い込んでいる。

しかし、それは違います。
学校の勉強についていけないレベルの生徒が医学部専門予備校に通ったところで、さらに抱え込む「分からない問題」の数が増えるだけです。

なにも医学部専門予備校は受験での「一発逆転」を教える場所ではありませんので、入ったからといって、飛躍的な学力アップなど望めません。

それは、「お金持ちにさえなれば、何でも買える、好きなことが出来る」という考え方に似ているところがあります。

たとえ宝くじに当たったところで、お金の使い方を知らない人であれば、かえって当選する前の生活より悲惨な目に遭うことが多いとよく言われていますが、それと同様に、「医学部予備校にはいりさえすれば、成績が上がり、医学部に合格する」と信じている人は、医学部予備校にはいることで、かえって経済的、学力的、メンタル的な「負」を大きく背負いこんでしまう可能性が高いのです。

大切なことは、「医学部予備校にさえはいればなんとかなる」という漠然とした期待をすることではなく、まずは自分の学力、弱点など足元を見直すところからスタートすることから始めるべきでしょう。

そして、医学部専門の予備校に通うことを検討するのは、模試の偏差値60を超えた段階からでも決して遅くはないのです。